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先進企業のCSR(第32回)-(株)エヌ・アイ・コーポレーション プリント
2010/09/04 土曜日 16:26:42 JST

地元の飲食店に頼まれ講師を務め
社長自ら帰りがけにワインも届ける


■ワイン特化した卸売業を活かす
csr-32-1.jpgエヌ・アイ・コーポレーション(中区太田町)は、ワインに特化し、製品から原料まで手がける食品卸売業だ。今年で創業16年を迎え、日本の食卓にさらなるワインの普及をめざす。仲條栄一郎社長は「ヨーロッパの一人当たりの年間消費量は50本。それに比べて日本は3本。まだまだ少ない」という。

CSRに取り組んだ理由は同社の企業理念にある。創業にあたって決意したのは「企業規模に関係なくエクセレントカンパニーになる」ことだった。とはいえ、ISOなどの公的認証を受けるには多額の経費がかかる。また人的にも経済的にも社会貢献には限界がある。そこで、ビジネスの延長線上に地域貢献を捉え、地元との関わりあいを重視した。こうして始めたのが地元の飲食店へのサービスと連携だ。

■時間に合わない注文を手助け
ワインを仕入れるには近くの酒店に注文して納品してもらわなければならない。しかし、飲食店の営業時間と、酒店の注文締め切り時間とがかみ合わず、納品が翌日になったり、流通量の少ないワインはさらに納期が遅れたりすることも珍しくない。

一考した同社は、顧客サービスの一環として半径1km以内の歩いて行ける飲食店に対し、注文で間に合わないワインを社長や社員が帰りがけに数本までなら届けるようにした。「件数が増えると物理的に困るが、これまでのところ好評」という。

一方、飲食店との連携は専門業者としてワイン情報の提供だ。飲食店で"ワインの会"が開かれたさい、講師として招かれれば無償で参加しワインの話をする。「ワインは知識で飲むのではなく、嗜好で飲むもの」と仲條氏は語るが、ワインファンにとって専門家の話は、なによりワインの付加価値を高める。

では、ワインの試飲会を開催したらどうか、というと「CSRにはならない」と否定する。「無償提供はただの商品の販促。そこにプラスアルファがなければ本当の地位貢献ではない」と指摘する。

■認定は企業のアイデンティティになる

仲條氏はこうしたサービスや連携を続けることで、会社の存在を地元の人に知ってもらい、ニーズがあれば企業、個人を問わず地域に貢献したいという。今年、横浜型地域貢献企業にも認定された。社内では女性社員に乳がん検診を奨励し、また社員も声がかかれば個人的にボランティア活動に参加する。企業を対外的にアピールするためにも「企業のアイデンティティになるものが欲しかった」と語る。

取引先は東北から九州まで広がっており、営業は全国を飛び回っている。こうした企業はビジネスに視点を置くと、ややもすると地域への視点が薄れがちだ。しかし、同社のように認定マークを取得すれば地域に気を配るようになり、新たな関係も見えてくるようだ。
                             (取材協力:横浜市/横浜企業経営支援財団/他)

㈱エヌ・アイ・コーポレーション:http://www.nicorp.co.jp/20.html
横浜型地域貢献企業認定
 
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