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ユーザ中心設計のすすめ(第31回)―「ユーザを知る」ことの重要性 プリント
2009/05/23 土曜日 20:58:04 JST


今回のテーマは 「ユーザを知る」です。製品やサービスには必ずユーザが存在します。さて、みなさんの会社の製品やサービスのユーザはどのような方々でしょうか。
それでは、ユーザと製品やサービスの関係性のタイプを下記に示します。

1.ユーザをあまり限定せず、多くの人に対してアピールするもの
これはユーザが製品やサービスを選ぶことの出来ないもので、公共性が高いものと言えます。地方自治体(市役所や区役所など)、郵便局、銀行、鉄道会社、コンビニエンスストアなどが該当します。これはユニバーサルデザインの考え方を導入する必要があります。メインターゲットユーザを想定しつつ、極力みんなが使いやすく便利になるよう配慮します。

2.ユーザが製品やサービスを選択できるもの
携帯電話、自動車、テレビ、デジタルカメラなどが該当します。このような製品の場合にはどのようなユーザタイプがいるのかを正しく理解し、その中から誰をターゲットユーザにするかを決める必要があります。ターゲットユーザの見極め、そのユーザに対するデザイン適合度の良し悪しが販売台数に影響します。

3.特定のユーザが使うもの
経理用アプリケーションソフト、原子力発電所監視制御システム、音楽編集用ソフト、医療機器など多種多様です。これらはユーザは限定されていますが初心者やヘビーユーザ等のリテラシーやモチベーションの差があるので、その理解とそれに配慮した設計が必要です。

みなさんの会社の製品やサービスは上記のどのタイプでしょうか。タイプが明確になりましたら次はターゲットユーザを想定します。それから、想定したターゲットユーザが対象となる製品やサービスを使っている現場を観察してください。それが難しい場合はインタビューやアンケートでもかまいません。ユーザが現状で困っている点や、どのように使いたいのか、どのようなデザインを求めているのかを調査しましょう。それらの調査した情報からデザインは自ずと決まってきますので、正しくユーザを知ることは非常に重要なことなのです。

ある会社が自社の表計算ソフト開発技術を使ってユーザ別にソフトウェア商品を企画したとするとどうなるでしょうか。

ui-31-1.jpgビジネスマン向け。
作業効率、多機能、移植性を考慮したソフト設計が求められる。




ui-31-2.jpg主婦向け。
家計簿を中心とした機能が求められる。リテラシーの差が大きいため、ビギナー、エキスパートなどのユーザ配慮が必要。



ui-31-3.jpg
子供向け。
学習用、お小遣い帳のような視点でのソフト設計が求められる。キャラクターやかわいいイラストを多用するなど飽きさせない配慮が必要。



上記のようにターゲットユーザによって企画やデザインがまったく異なったものになります。
さて、「ユーザ」という切り口でみなさんの会社の製品やサービスを見直してみてはいかがでしょうか。

*本コラムに関するご質問、ご感想などは、お気軽に
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の「業務全般のお問い合せ窓口」よりご連絡ください。
みなさまの声をお待ちしております。
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筆者プロフィール
鞆 幾也 (TOMO, Ikuya)
tomo.jpg1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。
1990年 株式会社ノーバス設立に参画。
2003年 株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。
(2005年10月株式会社U'eyes Designに移管)
2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。
現在はU'eyes DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。
医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。
特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。
UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。

株式会社 U'eyes Design:http://ueyesdesign.co.jp
usereyes.gif

 
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