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レポート:先進企業のCSR(第5回)ー(株)セントラルシステムズ プリント
2009/04/05 日曜日 10:01:32 JST

地球の温暖化に強い危機感
ビジネスを超え低炭素社会を訴える


■2050年に地球は危機的状況
企業にとって地球の温暖化対策は、代替エネルギーや省エネルギーという観点からビジネスと直結して考えがちである。そんななか「温暖化はビジネスを超越した"動かしがたい事実"」と受け止め、社長自らが低炭素社会の実現に向け、事業の枠を超えて取り組んでいる企業がある。
ts-090405-1.jpgソフトウエア開発などを手がけるセントラルシステムズの社長、大西寿郎氏は「温暖化防止は、もはや節電レベルではどうにもならない」と警鐘を鳴らす。創業以来ビジネスとは別に地球環境を自らのテーマとして常に考えてきた。いまでこそ、国連をはじめとした国際機関が「2050年に地球は危機的な状況になる」と警告を発しているが、同氏がこの事実を知ったのはすでに20年も前のことだ。そのときのショックが今でも原動力になっているという。

■ゲームとの融合で啓蒙活動

同社で低炭素社会を実現するため、女性社員の発案で最初に実行したのが「エコビレッジ」という啓蒙活動だった。ゲームで遊びながら環境問題を学べるもので、環境の悪化により人類が滅亡した地球を舞台に、生き残った人々が環境に関する問題をクリアしながら、エコビレッジ(村)をエコタウン(都市)に育てていくゲームである。
このゲームを自社のホームページに載せると、たちまち小学生の間で大人気となり、エコビレッジの住人は見る間に5000人を超えた。ただ、折から成立した「個人情報保護法」でエコビレッジは運営が難しくなり休眠状態となってしまった。

■ITでプロジェクトを支援

次に力を入れたのが大学との協働である。専修大学は授業の一環としてひとつのテーマを掘り下げて研究する"プロジェクト"を実施しており、同社ではこのなかから地球環境をテーマに選んだ学生を2007年度から2年間(2期)にわたり、インターンシップなど同社の産学連携事業の一環として支援してきた。
地球温暖化対策プロジェクトに参加した学生たちは非常に熱心で、同社が提供した3Dソフトを駆使して宇宙の誕生から地球の現状までを描き出すコンテンツを制作したり、なかには関連した研究論文の発表で数々の賞を受賞した学生もいた。
このようなプロジェクトは地球環境の問題に係わらず、さまざまなテーマで他大学にも波及し始めており、今後も支援していきたいという。

■エコ・コンテンツの集積も
現在、大西氏が考えているのは地球環境の問題と、自社の事業領域の接点を探ることだ。すぐにビジネスと結びつかなくとも、将来大きく育ちそうな事業のタネを見つけ出せないかというのである。
たとえば、学生らがエコロジーのコンテンツを発表できる場をホームページに作るアイデアもある。「自由にコンテンツを書き込める広場のような場所を設ければ、そこから何か新しいものが生まれる可能性がある」とし、従来の発想にこだわらない展開を視野に入れる。
さらに、このほかにもいくつかの構想もあり、大西氏の地球環境に対する危機感は、これからのIT業界に大きな影響を与えることになりそうだ。

㈱セントラルシステムズ:http://www.cscweb.co.jp/

 
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