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レポート:先進企業のCSR(第1回)ー神奈川県情報サービス産業協会 プリント
2009/02/03 火曜日 20:55:19 JST

和太鼓を県立金沢養護学校に寄贈
生徒に生まれた協調性と自信


■1企業では不可能なことも可能に
企業の社会的貢献(CSR)が注目されるなか、神奈川県では業界団体によるさまざまな地域貢献活動が行われている。企業単独ではなし得ないことも会員企業が結束することで、より効果的に実現できるからだ。IT関連企業の団体(社)神奈川県情報サービス産業協会(神情協=池田典義会長、329社)は、この地域貢献活動の一環として平成20年3月、神奈川県立金沢養護学校(横浜市金沢区)に和太鼓を寄贈し話題となった。
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県立金沢養護学校は19年4月に知的障害教育部門からスタートした特別支援学校で、翌年4月には肢体不自由教育部門も加わり本格的な開校となった。現在の児童生徒数は小学部73名、中学部53名、高等部86名の合計212名。神情協としては高津養護学校(川崎市高津区)に次ぐ2校目の寄贈先となった。

■音楽室は部員で満員になった
教材としての和太鼓は打楽器のなかでも音が力強く、たたく際に振動も伝わることからバチを握る子供たちの心が表れ情操面で非常に効果があるといわれている。金沢養護学校の名執宗彦校長は「和太鼓をたたくことで子供たちの中で自信が生まれ、子供たちの顔がいきいきするようなった」と語る。授業は高等部の音楽のなかに正式に取り入れられているが、これ以外でも学部を問わず音楽の授業に活用されている。音楽を専科として教える山﨑永子先生は「小学部ではリズムを引き出すことで、コミュニケーションの道具ともなり、40分の授業時間のうち半分を和太鼓にあてている」と、その教育的効果の高さを熱心に説明する。
いうまでもなく子供たちにも人気があり、高等部を対象にした部活動では音楽部を希望する生徒が多い。活動日は広い音楽室が満員となる盛況ぶりだ。使用される和太鼓は学校が購入したぶんも含めて大小6台。これを並べて和太鼓の曲を部員が代わるがわる練習する。部活動では指導する先生が音程の高い小太鼓でリズムを取って盛り上げ、これに生徒たちの大太鼓が続く。全員の息が合わなければ打音がばらばらになるので、誰もが回りの音を聞きもらさないよう真剣な顔つきだ。こうした演奏を通し、障害があることで心を閉ざしがちだった生徒も、次第に心を開いて協調性が生まれてくるのである。

■達成感がやがて自信に変る
和太鼓の演奏が初めて一般の人に披露されたのは、20年6月4日の新校舎落成記念式典だ。高等部3年生のグループが3カ月あまり練習を重ね、会場となった体育館で来賓や児童生徒たちを前に演奏した。さらに、その年の夏には三井不動産が経営する大型ショッピングセンターにも招かれて和太鼓をたたいた。いずれも大きな拍手をもらって大成功している。
伊藤甲之介副校長は「出番が来るまでの生徒たちの顔は緊張しているが、演奏が終わって最後にバチを持って全員でポーズを取る時には"やったあ"という、とてもいい表情をしている。そして拍手を受けると、自信に満ちた顔つきになることがよくわかる」と子供たちの心の変化をうれしそうに語る。
金沢養護学校が教育方針としているのが「自立」だ。どんなに重い障害があっても何らかの手段で周囲の人たちとコミュニケーションをとり、自分の思いを実現してほしいと言う。その教材としての和太鼓は大きな効果を生んでいるようだ。名執校長は「なにより楽しく学べることが大切」とその教育的な成果に期待する。
神情協ではこの3月にも県立みどり養護学校(横浜市都筑区)に和太鼓の寄贈を予定しており、今後もさまざまな社会貢献活動を計画している。会員企業の総意を受けた草の根的な活動は続きそうだ。

神奈川県立金沢養護学校:http://www.kanazawa-sh.pen-kanagawa.ed.jp/
(社)神奈川県情報サービス産業協会:http://www.kia.or.jp/

 
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