目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第3回):審査員インタビュー |
2008/07/16 水曜日 11:54:44 JST | |
横浜ビジネスグランプリ審査員:㈱ネクシィーズ 近藤太香巳社長 アイデアだけでは起業できない 掛け算で事業を大きくする絶好のチャンス 2008年の横浜ビジネスグランプリの審査員を務め、自身も起業家として成功をおさめたネクシィーズの近藤太香巳氏に、同グランプリの感想とこれから起業を目指す人たちが準備すべきことをうかがった。 ――まず審査員を務めた感想をお聞かせください ![]() ただ、ひとつだけ言えることは「起業はアイデアだけでできるものではない」ということです。ビジネスモデルは基本的に“絵に描いたモチ”でしかありません。いくら本物そっくりに描いたとしても、それはあくまでも絵でしかないのです。 起業とは会社を興し経営者としてそれを具体化させることです。そういう視点からみると決して十分満足できるものではありませんでした。 ■なにを支援してもらいたいのかを伝える ――というと? どの応募者にも共通しているのですが、「起業するために何を支援してもらいたいのか」という具体的なことが伝わってこないのです。ですから、たとえば資金を援助してもらいたいのなら、それはいくらなのか、また販路開拓なら、どの業種のどんな企業のどんな販売ルートを求めているか、といったことがプレゼンからわからないのです。 ■自分の人生をすべてかけているか ――企業家にとって大切なのは何ですか 起業に必要なのは、まず思い入れです。「自分は絶対に会社を創業するんだ!」という強い意思です。それを達成するためなら自分のすべての人生をかけてもいい、というような不退転の気持ちです。 その上で、自分の夢を実現させるために何が必要なのか、また自分が経営しようとする企業とはどのようなものなのか、それをよく勉強する必要があります。実は、完成度の高いビジネスモデルが求められるのはその次なのです。 そしてこれらが整ったら、それを具体化すべき手順を考えるわけです。 そもそも、統計学的にみれば10年後に残る企業は100社のうち6~7社、100年後は1社なのです。このように企業にとっては存続することさえ難しいわけですから、ベンチャー企業の創業はなおさら大変なわけです。そこにはなによりまず事業をやることに対しての「強い覚悟」が必要なんです。 ■ビジネスグランプリは千載一遇のチャンス ――そういう視点で横浜ビジネスグランプリを見るとどうですか 残念ながら2008年の場合はそこが十分ではなかったようにも思います。こちらはいくらでも支援の手をさし伸ばしたい気持ちだったのですが、結果的になにをしてあげればいいのかわからなかったのは、そこに問題があったのかもしれません。 ――起業家はビジネスグランプリに何を求めればいいのでしょうか? 事業プランに箔をつけるために応募するのなら、あまり意味がないと思います。それよりも、審査員を始めとしてさまざまな支援者が控えているわけですから、事業化にあたって必要なヒト、モノ、カネを手にいれられるチャンスだと考えるべきです。 たとえば、私が19歳で起業したときは横浜企業経営支援財団さんのような支援機関もありませんでしたし、もちろんビジネスグランプリのようなコンペもありませんでした。そう言う意味で、皆さんは非常に恵まれていると思います。 私は試行錯誤しながら自分でこのようなチャンスを作りだしてきました。それだけに必死でした。 ビジネスグランプリに出ることによって創業までの階段をひとつずつ足し算で登るのではなく、掛け算で一息にかけ上がれるかもしれないのです。いわば起業家にとって千載一隅のチャンスなのです。 ■起業家マインドを忘れない ――審査方法についてはどうでしょか? グランプリの審査は、どちらかというとビジネスモデルの完成度だけに注目しているように思いました。できれば応募した起業家が本当に支援してもらいたいのはなにか、ということを再確認できるような作業も必要ではないかと思います。繰り返しになりますが、いずれのビジネスプランも非常に優れているのですから、あとはそこに起業家マインドが備われば良いと思います。 ――ありがとうございました (㈱)ネクシィーズ:http://www.nexyz.co.jp 過去記事 ・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第2回) ・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第1回) 横浜ビジネスグランプリ公式サイト:http://www.danzenyokohama.jp/plan3/ygp2008/index.html |