| 第124回産学交流サロン特別企画「未来技術講演会」 |
~横浜でIDECと"知の共創"を目指す~ 横浜企業経営支援財団(IDEC)では2月13日、パシフィコ横浜アネックスホールにおいて、富士ゼロックス常務執行役員の滝口孝一氏による未来技術講演会を行った。テーマは「"横浜における都市型R&Dセンター構想"社会、顧客との共創による価値創造をめざして」。富士ゼロックスが、MM21地区に開設を予定しているR&Dセンターのグランドコンセプトと、そこで目指す"共創による価値創造の試み"について講演した。ここではその概要について紹介する。■ザ・ドキュメントカンパニーとは 富士ゼロックスの企業理念は3つある。①知の創造と活用をすすめる環境の構築、②世界の相互信頼と文化の発展への貢献、③一人ひとりの成長の実感と喜びの実現、である。このうち①の「知の創造」という言葉を重く受け止める社員は多い。 当社は「ザ・ドキュメントカンパニー」である。このドキュメントとは、まさに"知"の重要な分野のひとつなのだと思う。というは、ドキュメントとは"人の知が形になる時"に必ずと言っていいほど係わるからだ。 ドキュメントで人は考え、伝え、決定を下し、行動する。その見方を変えれば、個人と個人、個人と組織の間をながれる知識ということになる。私たちはドキュメントを「知のキャリアー」と呼んでもいる。 ■開かれたオフィスをつくる この企業理念のもと構築している事業ビジョンが「オープン・オフィス・フロンティア(Open Office Frontier)」だ。やや観念的な言葉だが、わかりやすく言うと、来たるべきユビキタス時代を踏まえ、オフィスを異なる企業や組織で働く人同士を結ぶ「開かれた"場"」と考え、そこに新しい価値をユーザーとともに創り出すということだ。 この事業を支えるために、富士ゼロックスは4つの技術領域で研究開発を進めている。それは①デジタルイメージング領域、②ユビキタス領域、③光・基盤領域、④環境領域だ。このうちデジタルイメージング領域は、複写機のデジタル化やカラー化を中心として培われてきた。 ユビキタス領域はこれからの社会を想定し、そこでドキュメントを効果的に管理・活用して知識を共有し、そこから新たな知識のコラボレーションを促進する技術だ。たとえば、紙に代わる電子ペーパー技術、コピーの手軽さで翻訳できる機器のようなものだ。 また、光・基盤技術は、大量のドキュメントを簡単で安全、かつ快適に扱う次世代の技術で、そこには"紙の指紋"を利用したセキュリティペーパー技術などもある。 ■「産学官公民連携による共創をめざして このような技術を製品開発に応用するためには、なにより将来の社会や生活環境の変化を想定し、その中から顧客のニーズを汲み取っていかなければならない。そのためには、"共創"という考え方が必要となるのだ。 共創とは異なる価値観を持つ者同士が刺激しあうことで、創造的なものを生み出すことをいう。 じつは、横浜のMM21地区に当社の研究部門を統合することが決まった時に、そのグランドコンセプトとして描いたのがこの"共創"だった。 つまり、この横浜で「知の創造と活用を進める環境の構築」を目的とし、異分野の良質な"知"がぶつかりあい真剣に議論、実験、分析などを行い、それにより新しい"知"を創造し、それを利用できる環境を作り出したいと思っている。 そのひとつが、産学官公民連携の場を作ることだ。そこには、実践豊富な産学連携のコーディネーター陣がおり、各種制度の情報を入手でき、また気軽に利用できる最先端機器が必要だろう。そしてMM21の利便性を活かした、人と人とのコミュニケーションも大切な要素だ。 そこで、横浜企業経営支援財団(IDEC)との協働も含め、これらの構想を実現化したいと考えている。まだ、構想の段階なので、具体的に何をするのかは白紙の状態だが、R&Dセンターがスタートする平成22年3月までには形にしていきたいと思っている。 富士ゼロックスR&Dセンター 立地場所:西区みなとみらい6丁目 研究開発内容:カラー複写機、プリンタ及び関連機器等の製品研究開発、ソリューション&サービス事業 就業者数:約5200人 事業開始:平成22年3月(予定) 総事業費:約600億円 富士ゼロックス:http://www.fujixerox.co.jp/ |