ユーザ中心設計のすすめ(第47回)―マジカルナンバー7 |
2010/01/28 木曜日 20:52:45 JST | |
今回はマジカルナンバー7についてのお話です。 マジカルナンバー7とは この言葉、どこかで聞いたことありませんか。これは、アメリカの心理学者のジョージ・ミラーによって発見されもので、約20秒間保持される短期記憶としては7±2までの情報しか人間は保持できないというものです。これをマジカルナンバー7といいます。 マジカルナンバー7の7という数字は意味を持った「かたまり(チャンク)」の数のことで、数字のように情報量が少ないものも、人の名前のように情報量が多いものも7個しか覚えられないと言われています。±2は個人差があることを示しています。つまり、短期記憶力としては、少ない人で5個、多い人で9個までなら覚えられるいうことです。 マジカルナンバー7とユーザビリティ この、マジカルナンバー7ですがユーザビリティの観点からとても重要と言われています。携帯電話やナビゲーションシステムなどGUIを持つ製品には、必ず機能の入り口となるメニューがありますが、このメニューを多くても9個に収めます。また、サイトの設計ではグローバルメニューを7個以内に収めることで、ユーザがサイト内を探索しやすくなります。このように短期記憶しやすい項目数にすることでユーザビリティを高めることが出来ます。 生活の中での7という数字 日常生活で見てみますと、意外にも7という個数のものが多いことに気付かされます。例えば、曜日、音階、郵便番号です。その他にも、七福神、七色のレインボーカラー、親の七光り、無くて七癖、七味唐辛子、七草などがあります。偶然かもしれませんが、当然これらの数が多いと覚えにくいものになってしまいます。 昔の人が七味唐辛子の材料を覚え、人に伝えたりする過程で、紙という媒体がないために短期記憶に頼った結果、7つしか覚えられず七味となったのなら面白いのですけどね。 *本コラムに関するご質問、ご感想や業務のご相談などもお気軽にどうぞ。 http://www.ueyesdesign.co.jp/contact/index.html の「業務全般のお問い合せ窓口」よりご連絡ください。 みなさまの声をお待ちしております。 ===================================== 【お知らせ】 1.電子政府ユーザビリティガイドラインセミナーを実施しております。 <ご案内サイト> http://www.ueyesdesign.co.jp/ueyes-lc/index.html 2. Android搭載携帯電話(HT-03A)のユーザビリティ評価レポート好評販売中! <ご案内サイト> http://www.ueyesdesign.co.jp/report/p090616_android.html ===================================== 過去記事一覧(第1回~第46回) 筆者プロフィール 鞆 幾也 (TOMO, Ikuya) 1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。 1990年 株式会社ノーバス設立に参画。 2003年 株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。 (2005年10月株式会社U'eyes Designに移管) 2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。 現在はU'eyes DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。 医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。 特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。 UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。 株式会社 U'eyes Design:http://ueyesdesign.co.jp |