ユーザ中心設計のすすめ(第34回)―ユーザセグメントについて |
2009/07/07 火曜日 07:08:05 JST | |
前回のコラムで「ユーザを知るための方法」についてお伝えしました。皆さんの会社の製品やサービスにおいても、ユーザについての調査を行なった場合、そのユーザは画一的ではなく、色々なタイプのユーザが存在するかと思います。マーケティングとしては、それらのユーザセグメントを正確に把握することが重要と言われています。 ではユーザセグメントについて、ハイブリッドカー「プリウス」のユーザを事例に、想定してみましょう。 <エコ推進派ユーザ> エコ活動をまじめに実践しているユーザ層です。自動車にかかわらず、家電製品、日用品などもエコ製品の購入に努め、電気、ガスなどのエネルギーも地球環境の保全、改善を目指して人一倍、節約します。エコロジーのためなら、多少金額が高くてもかまわないと思っています。 <家計節約重視ユーザ> エコロジーというよりも節約(エコノミー)を重視しているユーザです。車の燃費のよさで「プリウス」を選びました。余分なお金を払ってまではエコロジーは実践しません。 <ハイテク興味深深ユーザ> エコとかじゃなく、最先端の技術や製品の購入にお金を注ぎます。自動車だけではなく、家電製品、AV機器等もスペックや新機能などに興味があり、ウンチクを語るのが大好きです。 <トレンド追従ユーザ> 流行に遅れることが気に入らないユーザです。先行してリーダーにはなりませんが、程よい流行とこなれた価格、安心できる口コミ情報があれば、購入するタイプです。 上記は、ユーザ像を想像で書いたものですが、本来は、プリウスユーザに対してアンケート調査を実施し、因子分析、クラスター分析を経て、ユーザのセグメントとそれぞれの比率を求めるといった手法で導き出されるものです。このユーザをセグメントする調査は、弊社でもサービスとして行なっておりますが、これらを正しく把握することで、ユーザに提供すべき製品やサービスの企画やデザインが検討しやすくなります。 皆さんは会社の製品やサービスのユーザセグメントをしっかり把握されてますか。 *参考サイト:U'eyes Designサービス案内 「人モノ尺度」 http://www.ueyesdesign.co.jp/service/service_scale.html *本コラムに関するご質問、ご感想や業務のご相談などもお気軽にどうぞ。 http://www.ueyesdesign.co.jp/contact/index.html の「業務全般のお問い合せ窓口」よりご連絡ください。 みなさまの声をお待ちしております。 ===================================== 【お知らせ】 1. 組込みエンジニア様向けに、ユーザ中心設計をテーマとしたセミナーサービスを実施しております。 <ご案内サイト> http://ueyesdesign.co.jp/ueyes-lc/course.html 2. Android搭載携帯電話(HT-03A)のユーザビリティ評価レポートの予約受付中! <ご案内サイト> http://www.ueyesdesign.co.jp/news/090616_android.html ===================================== 過去記事一覧(第1回~第33回) 筆者プロフィール 鞆 幾也 (TOMO, Ikuya) 1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。 1990年 株式会社ノーバス設立に参画。 2003年 株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。 (2005年10月株式会社U'eyes Designに移管) 2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。 現在はU'eyes DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。 医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。 特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。 UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。 株式会社 U'eyes Design:http://ueyesdesign.co.jp |