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インタビュー:(株)ネクスト・ディメンション 中根隆康社長 プリント
2008/08/20 水曜日 06:52:32 JST
“ソフト作りは人作りが主役”
技術の伝承でシステムを構築


■仕組みのわからないソフトが動いている
ts-080820-1.jpg”経験を次世代へ、そして次の次元へ”この言葉を企業理念に据えた企業が新横浜にある。ソフトウエアの開発から既存コンピュータシステムのコンサルティングまで幅広く手がけるネクスト・ディメンションだ。
大手電機メーカー出身のソフトウエアの技術者、LSIの設計者、アナログの設計者の3人が集まり、平成18年末に興した会社だ。
創業当初はシステム系の仕事を事業の柱にしようと計画したが、実際に営業にまわると、そこに意外なニーズを発見したという。それが企業理念でもある技術の伝承だ。たとえば、こんなケースがあった。
取引先から、現在使っているシステムを解析して欲しいと依頼された。ところが、実際のシステムをみると何の問題もなく動いている。
なぜ解析する必要があるのか担当者にたずると「じつはそのシステムがどのようなソフトで動いているのかがわからない」のだという。
そのソフトの基幹部分を設計した人が定年を迎え、詳しく知っている人がいなくなってしまったのである。

■古いプログラムは“勘と経験”で作られている
そこで社長の中根隆康氏は要望どおりソフトを解析し、次の世代に引き継げるよう必要な部分をドキュメント化し、またその一部は継承しやすいよう新しいソフトに組み換えた。
このようなシステムのなかには、不完全な部分があってもそこを使わずに済ませるといった、現場の裁量で動かしているケースがよくあるようだ。それに、古いプログラムのなかには設計者にしかわからないような、いわば“勘と経験”の部分があり、それがさらにシステムのソフトをわかりにくくしている、という。

■結果オーライだから人手が足りなくなる
一方、プログラムの解析とともによく相談されるのが「人材」だ。中根社長はこんな話しを一例としてあげる。
「組込みソフトの仕事で人手が足りないというので、よく話しを聞いてみたら、仕事の仕組みそのものに問題があることがわかった。というのは、納期が決まっているので計画から設計まで、やみくもに人海戦術でこなし、結果オーライでソフトを組込んでいたのだ。すると、そこには当然ながら何人もの人を投入することになるので、いつも人手不足となってしまう。そこで仕事のプロセス組み換えてみたらそれほど人手をかけなくともできるようになった」とする。
同氏は現在の組込み業界をこう分析する。
「組込み系の仕事はこれまで少ない人数でも十分こなせる規模だった。ところが、IT機器が多機能で複雑になると、もはやこれまでのような人数では作ることができなくなった。しかし、現場は昔と同じやり方で仕事をしようとしている」

■業界は成長のひずみの只中にある
組込み業界はいま成長のひずみを迎えているという。だから仕事が組織的に行われておらず、中心的なエンジニアが1人抜けるともう全体がわからなくなる。本来はそうならないために組織的に仕事をこなし、また人材もそれに対応できるように育てなければならない。しかし、現実は組織そのものが構築されていないし、人材も仕事に追われているため育てられない。
よく中根氏が口にするのが「ソフトは人なり、システムは人なり」という言葉。ソフト作りは人作りが主役という意味だ。
「単なるコンサルタントにおわらず、技術の伝承と、それを通してエンジニアを育成する」という。

■交流会の回数もっと増やして!

中根氏が楽しみにしているのがクラスター交流会だ。といって、その目的はビジネスチャンスを求めているだけではない。「友達を少しでも多く作りたい」と言う。つまり、それは人脈作りの場であり、気軽に仕事の話しができる知人との情報交換の場なのである。
そこで「もっとベンチャー企業が参加できる仕組みを作り、回数も増やせないか」とも要望する。
広がる人脈は中根氏にとって大きな財産となっているようだ。

㈱ネクスト・ディメンション http://www.next-dimension.co.jp/
 
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