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紙上座談会(下):「新横浜IT業界におけるシニア人材活用の現状と可能性」 プリント
従来の求人募集では人材は集まらない
企業とシニアを結びつける“仲人役”が欲しい

経験に富む優れた人材が欲しい企業と、キャリアを活かして働きたいシニア。ともに思いは同じだが、どうすればお互いにその情報を伝えられるのか、従来の求人方法ではなかなか人材は集まらない。しかも、そこには“ミスマッチ”も考えられる。本紙では前回に引き続き、企業側とシニア側に仕事に際して求められることをうかがった。

■どうやってシニア人材を探しているのか ――

近藤氏 ハローワークや人材派遣業に頼んでみたが、ハローワークには、求めるスキルを持った人が非常にすくない。また、人材派遣では、そこそこのスキルを持った人を紹介してもらえるが、その対価も高い。これも決断するのが難しい。

高見沢氏 シニアの方の力を借りたくても募集手段が非常に限られている。新聞の求人広告やハローワークでは、欲しい人材はなかなか見つからない。それにシニアの方の職務経歴書を見ただけではなかなかわからない。そこで、結局は、人づてで紹介してもらうような手段しかないのが現状だ。ただ、これでは人材情報が限られてしまう。理想を言わせてもらうなら、企業とシニア人材を取り持つ“仲人役”のような人が紹介してくれれば一番いいと思う。

■シニアは応援したい企業をどのように探しているのか ――

安藤氏 55歳を過ぎると昔の仲間と集まる機会が増えてくる。互いに定年後についての情報交換がしたいのがその理由のひとつだ。ただ、企業のメンター役を買って出るにせよ、そのようなシニアを求める企業情報がまったくない。ハローワークにそんな情報はないし、ネットで検索してもヒットしない。それに、仮にあったとしても求人内容が極めて抽象的で、果たして自分のキャリアが本当に活かせるのかわからない。つまり、企業側が何をして欲しいのか求人広告からはまったく読み取れないのだ。

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・安藤宏氏

中村氏 そもそも求人があったとしても、シニア側は職務経歴書に何を書けばいいのかわからないのではないか。豊富な経験を積んでいても、ライセンスは自動車免許ぐらいしか持っていない人も多い。キャリアとライセンスはまったく別なのだ。そこで、相手企業が具体的に何を求めているのか、その仕事の内容がわかれば、それに応じた書き方はできるだろう。40年近く社会で働いてきたのだから、特化した技術以外なら企業が求めているたいていのことはできるはずだ。

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・中村忠彦氏

■企業とシニアのミスマッチを防ぐにはどうすればいいか ――

近藤氏 就職雑誌によく載っているような、部下にやらせた仕事まで自分の経歴書に書くような人では困る。とにかく、本人のことがよくわかるような情報がまず必要だ。私の会社はIT関係だが、まったくの異業種の人でも問題ない。要は「一緒に仕事がしたい」という気持ちさえあればいい。起業を考えたことがあるようなタイプならなおいい。そういう人は、在職中も常に勉強を怠らず、自分の意識を高めているからだ。

高見沢氏 一番知りたいのは、これまで何をしてきたのかという経歴と、そこでどのような役割を果たしてきたのかということだ。これを具体的にアピールしてもらいたい。企業側とのミスマッチを防ぐには、シニアのキャリアをより具体的に知ることがまず大切だ。

安藤氏 おそらくシニア側もミスマッチについて常に考えなければならない。たとえば、大企業の管理職というのは、「いつでも使える有能な部下が、いつでもそばいるのがあたり前」という日常を過ごしてきた。そういう意味で、自分ひとりで仕事ができることが、必要条件だろう。それに小さな問題でも原理原則から議論するような管理職もいるが、そういう人も受入れられない。企業側が何を求めているのか、理解することが重要だ。

■―企業側がすべきことはあるかか ――

近藤氏 企業側は、ただシニアの力を借りたいと思うだけではなく、シニアに求めるスキルを文書化できるようでなければならない。それに、会社の仕事の流れを見てもらって、組織作りや人材教育などに力を貸してもらいたいなら、できるだけオープンに会社をみてもらう必要がある。いうまでもなく、顧客リストや商品企画などは企業秘密に属するが、それ以外はできるだけ“可視化”するように経営者は心がけなければならないだろう。

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・近藤満氏

高見沢氏 ベンチャー企業の場合、シニアにお手伝いしてもらいたい仕事は二種類あると思う。ひとつは「この仕事!」というようなピンポイントでキャリアを活かしてもらえる仕事。もうひとつは、全体の仕事の流れを汲み取りながら不備な点を指摘し、それを正すような仕事だ。このようなことは、守秘義務の契約を結べばクリアできるはずだ。企業側がなすべきことは、まず頼みたい仕事をより具体的に明示することだろう。

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・高見沢一彦氏

中村氏 新横浜のIT企業がシニア人材を活用するためには、人材情報を流通させることと、企業にシニアを紹介できるような仕組み作りかもしれない。

――ありがとうございました
(終)

imagezadankaige.jpg <出席者>

企業側

ユーフォニック・テクノロジー㈱代表取締役社長 高見沢一彦氏(写真 右上)
ビースラッシュ㈱取締役経営企画担当 近藤満氏 (写真 左上)

シニア側
㈱半導体理工学研究センター 企画部上級研究員 安藤宏氏(写真 左下)
新横浜ITクラスター交流会委員長代行 中村忠彦氏(写真 右下)
(順不同)

*この紙上座談会は横浜産業新聞編集部が各氏に個別取材し、それをもとに座談会形式にまとめたものです。

 
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