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紙上座談会(上):「新横浜IT業界におけるシニア人材活用の現状と可能性」 プリント

人材不足の企業と、経験豊富なシニア
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報酬よりも働き方を重視する

いま、ベンチャー企業をはじめとする中小企業はキャリアを持つシニアに注目している。
長年にわたり培ってきたそのノウハウを借りて、会社を成長させたいと思っているからだ。

一方、定年を迎えたシニア側も自分の得意分野が活かせる職場と第2の人生にふさわしい新しい働き方を求めている。

本紙では、新横浜のIT企業におけるシニ ア人材活用の現状と可能性について、組み込み系ベンチャー企業2社と、キャリアを活かして活躍するシニアおふたりに話をうかがい、紙上座談会としてまとめ てみた。

<出席者>

企業側:

ユーフォニック・テクノロジー㈱代表取締役社長 高見沢一彦氏(写真 左下)

ビースラッシュ㈱取締役経営企画担当 近藤満氏(写真 右下)

シニア側:

㈱半導体理工学研究センター 企画部上級研究員 安藤宏氏(写真 右上)

新横浜ITクラスター交流会委員長代行 中村忠彦氏(写真 左上)

(順不同)

企業はなぜシニア人材を求めているのか ――

近藤氏 企業規模が小さいベンチャーや中小企業はヒト・モノ・カネなどの経営資源に乏しいのが現状だ。企業に大きな成長性と将来性を見込めるものの、その保証がないので若い人材もなかなか集まりにくい。また、小人数の会社だとひとりで何役もこなしながら仕事をしなければならないので、なかなか若い人材を育てるゆとりもない。そこで、キャリア豊富なシニア人材は非常に魅力がある。

高見沢氏 私どもでは現在、特許などの知財でシニアの方の力をお借りしている。特許事務所との仲立ちを始めとして、実際の経験がないとわからないことが多い。同じことを社内でやるにはノウハウがないのでシニアの応援は必要だ。

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・高見沢一彦氏

近藤氏 専門的なキャリアはぜひ欲しい。また、専門分野でなくとも、長年の経験から会社の不備な点や至らないところを見つけ、それを指摘しフォローしてくれるシニアなら申し分ない。

シニア側は企業をどのようにみているのか ――

安藤氏 働く動機に収入はもちろんある。しかし、それ以上に在職中の経験を活かせるような仕事で役に立ちたい。だから、生活のために働くというよりも、社会的に意義のある会社を応援するようなスタンスで働きたい。

中村氏 シニアとレイバーを混同しないようにしたい。たとえば、米国にはリタイアした企業の経営者がベンチャー企業でメンター(指南役)を務めることがある。いうまでもなく、シニアは必ずしもリタイアした経営者ではないが、得意な領域に限れば、米国の事例のようなメンター役を引受けることも可能ではないか。

安藤氏 大企業に勤めていた私の知り合いは、在職中に直面した問題と、その解決方法の経験を踏まえて話すことで非常に喜ばれている。それがコンサルタントという仕事になっており、こんな働き方があれば理想だと思う。

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・安藤宏氏

中村氏 企業で管理職を経験してきた人間なら基本的に、組織のなかで課題を早めに見つけ、問題点を把握し、それを早めに解決することが仕事だった。それを長年つづけてきたわけだ。そこで培われたノウハウは業種を問わずどこの企業でも役立てることができるのではないか。

どのような働きかたが考えられるのか ――

安藤氏 在職中のように仕事を中心にした生活はもう卒業したい。誰でも、ゆとりのある、プライベートな時間を楽しめるような働き方をしたいのではないか。たとえば、月曜から金曜までフルタイムで働くようなスタイルではなく、週のなかで数日間というのが理想だろう。会社との関係も束縛されないフリーな関係がいいのではないか。といって、無拘束というのではなくある程度のタイムスケジュールは必要だが。

そこには報酬も大切な条件とならないか ――

近藤氏 たしかに、シニアの方の働いてもらう時、常に問題となるのが報酬だ。企業規模が小さなベンチャー企業だとキャリアに応じた報酬もなかなか支払えないこともある。身勝手な要望を言わせてもらえば、報酬に応じた働き方を一緒に考えてもらえると最高だ。

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・近藤満氏

高見沢氏 働き方はフルタイムでなくともいいのではないか。フレキシブルな働き方でいい。企業との関係は「嘱託」のような形が理想かもしれない。

安藤氏 住宅ローンの完済にもめどが付き、教育費もかからなくなっても、やはり55歳を過ぎると定年以降の収入が心配となる。年金の支給は65歳からだから定年後もしばらくは働いて収入を得る必要がある。金がないのでやりたい事ができないというのは困る。

中村氏 報酬は責任と権限のボリュームである程度は決まると思う。お互いにその落とし所をどこにするかではないか。そもそも仕事をするといっても5年ぐらいがひとつの目安になるのだろう。何十年も務める訳ではない。そこでできる仕事は自ずと限定される。おそらくシニア人材の活用がもっと活発になれば報酬に“相場”というのができるのだろう。現在はどうしてもやりがいなど精神的な部分が先行しがちだ。

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・中村忠彦氏

■どのような人材を企業は求めているのか ――

高見沢氏 ベンチャー企業はこれから組織を作っていかなければならないので、シニアの方にこれまで社内組織を作ってきた経験を活かし、番頭さんのような役も務めて欲しい。社員の話しを聞き、不平不満が出ないような、誰もが納得できるような組織を作れる人だ。また、これからの企業に問われている社内統制の仕組み作りや、ISOの取得業務などにも力を貸してもらえるといい。求めている人材はさまざまだ。

近藤氏 私どもでは営業がぜひ欲しい。これまでのキャリアを活かし新規顧客の開拓ができる人だ。知り合いの知り合いでもいいのでビジネスチャンスを作ってもらえればいい。それに、若い営業マンには営業の手ほどきもしてもらいたい。

(つづく)






 
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