半導体・電子部品を1個から提供、急成長を続けるBtoBネット通販サイト運営会社
■商品在庫は550万点のデータベース保有
――着眼大局 着手小局。これは広い視野で全体の流れを捉え、ひとつひとつ身近なことから着実に実行するという意味だ。この言葉を座右の銘にしているのがチップワンストップの高乗正行社長である。
同社は2001年に電子商取引を行う半導体商社として設立し、2004年に東証マザーズに上場、今期(2008年1~12月)は約34億円売上を見通している。取り扱っている商品は約550万種。仕入先は700社以上におよび、2008年3月31日現在、約4万8千人が会員となって利用している。
これまで、半導体や電子部品は定価がなく、メーカーに見積りを依頼した上で、ある程度まとまった量を購入するのが一般的だった。しかし、それは大口ニーズには対応していたが、試作・開発で小口注文を必要としているユーザーには対応しておらず、納期も即納ではなかった。さらに、欲しい部品が多数にわたる場合に、各メーカーに別々に依頼するのはユーザーにとって手間となった。
そこで同社は、インターネットを利用して多品種の半導体・電子部品をワンストップでかつ1個から購入でき、即日納品を可能にするというまったく新しいビジネスモデルを確立したのである。
■半導体・電子部品のコンビニを目指す
高乗氏は設立の狙いをこう語る。「これまでの半導体市場は大量生産、大量消費を中心に拡大してきた。しかし、今は開発にスピードが求められるようになり、ユーザーは少量多品種の部品を一括してすぐに購入できるようなコンビニを求めている」
インターネットで半導体・電子部品を少量から買えるシステムは他に先発企業もあったが、それは流通規模が小さく、また扱うメーカーも限られていた。このスケールを拡大し即納できるシステムを組んだのが同社なのである。日本では初めてのビジネスだが、実はそのビジネスモデルのヒントはアメリカにあった。
シリコンバレーではすでにインターネットを使った同様の商取引が行われており、高乗氏は大手商社のベンチャーキャピタルの副社長として現地に赴任中、その模様をつぶさに見て知っていたのである。そして日本のエレクトロニクス業界にも同じニーズがあることを見抜き、起業したのだ。
■粗利益率30%以上を維持
現在、従業員数は約100名。顧客サービスを充実させるには不可欠な人員だとするが、これを可能にさせているのが、粗利益率30%以上という高い収益性だ。粗利益から見れば、従業員一人当たりの売上高が120~130億円規模の半導体商社に匹敵する。さらに、国内市場ではイギリスとアメリカの企業2社が競争相手となっているが、チップワンストップは日本発の企業として日本特有の商慣習に徹底対応しているのも強みである。
同氏は「欧米ともに半導体の電子商取引は1000億円以上の市場規模となっており、日本も十分にそのキャパシティを持っている。」とマーケーットの将来性について分析し、同社も中期的に売上高100億円規模を達成することを目標としている。
一方、主力の電子デバイス事業以外にも力をいれている。メディアコミュニケーション事業では、子会社でエンジニアを対象としたエレクトロニクス技術情報誌を発行、ソリューション事業ではベンチャーファンドの立ち上げや、電子部品の品質評価と調達プロセスコンサルティングや技術情報の提供を行っている。それぞれの子会社を傘下に設立し、主力の電子デバイス事業を軸として今後の更なる成長を目指している。
■欲しい“ビジネス開拓型”の人材
そんな急成長を続ける同社の現在の最重要課題は、人材の確保による組織の拡大だ。なかでも求めているのが“ビジネス開拓型”の人である。「自らチームリーダーとなってマーケティングを率先して行い、ビジネスに結びつけられるタイプの人」という。このため、IT業界でのスキルをことさら重要視することなく、活躍している社員も、銀行、メーカー、商社など出身もさまざまである。
新横浜は同社にとって顧客が集中しているエリアだが、これにとどまらずIT産業の集積地としての魅力を感じているという。今後は「エレクトロニクス業界におけるエンジニアの総合プラットフォームを目指し、業界にとって必要不可欠な存在になりたい」と語り、同社は日本を代表するBtoBネット通販サイトの運営会社をめざしている。
チップワンストップ:http://www.chip1stop.com/
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