横浜企業経営支援財団(IDEC、横浜市中区)では、このほど平成20年の事業計画を明らかにした。
それによると新年度は、①経営戦略を企画する専門部署の設置、②市内企業支援のためのネットワーク「YES(Yokohama Enterprise Support)パートナーズ」の構築、③企業の成長戦略を研究する「永続的成長企業研究センター」の開設などを事業の柱とした。
なかでも、YESパートナーズは、19年度に提携した横浜5行(三井住友銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、横浜銀行、横浜信用金庫)とIDECを核としたネットワークを作るもので、これにより市内企業の支援を行うのが狙い。事業は調査研究、ビジネスグランプリ、経営戦略支援の3点に骨を置いた。

このうち調査研究は、5行の支店を経由で市内取引先企業にアンケート調査などを行い、現在直面している経営上の問題点を吸い上げ、必要に応じセミナーの開催や、金融機関と連携した支援などをする。
また、ビジネスグランプリは、すでに19年度に新たな事業手法を取り入れて成功しており、20年度はその規模をさらに拡大発展させる。具体的には、横浜5行と協力して開催することで国内外を問わずグランプリへの参加者を増やし、市内で事業展開を図りたい企業や、ビジネスに新分野を創出したい事業者などをこれまでより多く集める。
さらに、グランプリの入賞者に対しては、金融機関の協力により資金調達、販路開拓の情報提供などの支援も行い、横浜発のベンチャー企業の育成をしたいという。
一方、経営戦略支援についてはM&Aや事業承継、資金調達、資産運用など、創業から上場まで、企業の成長に応じて生じる経営上の問題の解決を支援する。これは各企業から受けた経営相談に対し、提携5行がそれぞれのグループで企画提案から実行まで、適切かつ効果的な方法を提案しようというもの。
たとえば、企業の新事業展開に向けて顕在化・潜在化している資金ニーズを把握することで、不動産の証券化などの手法を用いた資産の有効活用の提案。また、企業の海外戦略に向けたその計画策定のアドバイスと資金支援。「大学発ベンチャー」などによるモノ作りの事業化支援などを行いたいという。
このYESパートナーズについてIDECの吉田正博事務局長は「市内には10万7000社の企業があるが、金融機関と連携すれば、それぞれの企業とより密接な関係になれる。これにより市内企業各社の事業を発展させたい」と抱負を語る。
これまで一般に企業支援というと行政が業界団体に働きかけることが多くかった。このため、金融機関と提携したIDECの試みは日本初と言ってもよく、補助金を主体とした現在の産官の関係に一石を投じることになりそう。
なお、IDECは産学連携について県外の大学との提携を増やす計画だが、対象とするのは理工学系大学だけではなく、文科系大学も視野に入れている。これにより地域づくりや人材育成、町おこしなどのニーズにも応えられる産学連携体勢を取りたいという。
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