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第20回新横浜ITクラスター交流会パネルディスカッション プリント
  ~変革の時代にこそ新横浜の可能性~

このほど、横浜ラポールにおいて第20回新横浜ITクラスター交流会が開催され、5周年記念として「半導体業界が迎えた大きな変革の中で~世界の中の新横浜~」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。以下はその内容。

<モデレーター>
中村忠彦氏/新横浜ITクラスター交流会実行委員長代行、TNパートナーズ有限責任事業組合代表
<パネリスト>(順不同)
泉谷渉氏/産業タイムズ社 取締役編集局長 
高乗正行氏/㈱チップワンストップ 代表取締役社長
藤田鋼一氏/新横浜ITクラスター交流会実行委員、富士通マイクロソリューションズ㈱ 代表取締役社長
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■時代を先取りする
中村氏 日本の半導体ビジネスは、大きな変革期に差しかかっていると思う。言い換えるなら、何か新しいことが起こりそうな予感と期待を感じさせる。すでに、業界では水平分業が加速し、デジタル家電や自動車が半導体の顧客の主役になった。
その一方で、デザイナーやEDAエンジニアや高齢化が進むなど、この5年間で半導体業界は劇的な変化をしたのではないだろうか。今、私たちは新横浜の持つ優位性を生かし、世界の中の新横浜として、これから起こすべきアクションはなにかを考えてみるのもいいだろう。そういう意味で、本日出席していただいた各社は、時代を先取りしているように思う。

高乗氏 インターネット上で半導体・電子部品を一括購入できる事業を新横浜で2001年から始め、2004年に東証マザーズに上場した。我々のサービスが普及する以前は、顧客は半導体・電子部品をメーカーまたは系列商社から個別に買っていたが、それをネットで、複数のメーカーの製品を買えるようにした。つまり、半導体・電子部品メーカーと部品を使う側の間に入り、その仲立ちをしたわけだ。特に設計開発を行っている人たちに支持されているサービス。積極的にPRらしいことをしているわけではないが、現在約700社のメーカーの製品を扱い、のべ1万7500社に利用していただいている。最近では類似のサービスを行う会社も出てきたことから、ひとつの新しい流通の仕組みが確立できたのではないかと思う。

藤田氏 通信のシステム開発力をデバイスに向け、これから伸びる5分野に力を入れようとしている。それは、①デジタルAV、②CPU内蔵SoC、③アナログ、④モバイル、⑤車載システムだ。この分野でソフト・システム開発力を生かして上流(ソリューション開発)から下流(LSI開発)まで一貫して提供できるような開発および設計をしたい。

■自動車業界をどう取り込むか
中村氏 これまでにない新しい事業を手がけている2社だが、ジャーナリストの視点からどう見るか?

泉谷氏 高乗氏は半導体業界の流通を変えたと思う。たとえば、家電製品は販売力のある大型量販店が主導権を握り、価格破壊をしてまで売ろうとするので、半導体メーカーまで利益が十分に還元されない。そういう意味で、業界で流通を握るという視点は大切だと思う。また、藤田氏は世界の水平分業の流れをよく読んでいると思う。過去の例を見てもこのような視点で新分野に進出した企業は成功している。

中村氏 ビジネスのポイントは?

高乗氏 部品はいわば少量多品種の世界なので、単品発注ではなく組み合わせて発注できるところが魅力なのだと思う。これからも当社にとっても顧客にとってもメリットがあるWIN-WINの関係が大切だと思う。

中村氏 これから拡大する市場はどこか

泉谷氏 自動車業界だろう。ただし自動車メーカー自身が主導権を握りたがるはずだ。というのは車載の半導体は、各社ともに全力をあげて取り組んでおり、"安全"という観点から基本的にその開発は外部に出さず自社で行うだろう。また、そこに使われる部品は、そのほかの部品と同じように、長期に渡って使えるようなものでないとならない。ハイブリッド車の開発が進んでおり、半導体メーカーにとってはビジネスチャンスが巡ってくる可能性が高いと思う。

■将来は今の延長線上にない
藤田氏 自動車に限らず、開発にあたって大切にすべきなのは、まず対象となる顧客製品のシステムについて顧客に負けない位よく知ることだ。そうすれば相手の知らない部分にまで考えを進めることができ、新しい価値を提言することができるのではないか。

中村氏 これから、新横浜の産業やあり方はどうなっていくのか?

藤田氏 従来の延長線上にないと思う。技術は匠の時代からコピーの時代になり、ある意味で誰でも参加できる時代になったので、いっそう独自性が問われてくるだろう。私なりに今後の新横浜について考えると、街の特質を生かして、たとえば①シニア技術者の人材バンク②女性技術者の働きやすい環境・条件③新横浜インターンシップ制度④新横浜介護ロボットコンテストなど、さまざまなことに取り組んで発展に繋げられるのではないか。

中村氏 なるほど。横浜市の支援を仰いで、何かコンテストのようなものをやるのもいいかもしれないし、また産学連携にも積極的に取り組むことも考えられそうだ。これほど狭い地域に300社近くのIT企業が集まっているのは他に例がない。何かをスタートさせるには良い環境が揃っている。ぜひ、行動を起こしたいものだ。
 
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