~いい会社を作るためのIT導入のポイント~
中小企業において、いい会社を作るためにどういう風にITを活用していくか。
何回かに分けて考えていきたい。
第1回はITとは何かを考えてみよう。
多少理屈っぽい話をするが、根元の部分の理解が不十分だと最後まですれ違う可能性があるので、しっかり定義していきたい。
や知識、判断の基になるような事柄を伝えたり、蓄積したり、加工したりする仕組みや方法を実現するものと解釈できる。
1.ITとは何か
今では、「IT」と言ってもよく分からないという人は少ないだろう。なんとなく、インターネットがらみの技術のことだろうと思っている方が多いかもしれない。
元首相の森喜朗氏が「IT革命」のことをよく理解しておらず「イット革命」と読んだことが話題となったのは2000年のことで、そんなに昔の話ではない。
そのとき、多くの国民は「森さんはアイティも知らないの?」と思ったかも知れないが、
改めて「ITって何ですか?」と問いかけられたとき、明確に答えられる人は少ないだろう。
ITという言葉は、もともと業界用語であったものが一般に流布されるようになったもので、その実態について明確な合意や定義のない、いわゆるバズワード(buzzword)なのである。
2. Information Technology
ITとはInformation Technologyの略であることはご存知だと思う。
日本語では「情報技術」と訳される。
Information Technologyという言葉は昔からあった。
1980年代にもInformation Technology に関する本は出版されているが、ITは将来こうなるといったSFの世界の話のようなものであった。
1995年ころになると「IT革命」という言葉も登場している。
日本でITが現在のような意味で使われるようになったのは、2000年11月にITを国家戦略とするe-japan戦略が掲げられた頃からである。
ITという言葉はバズワードであるので、その意味は変遷している。最初は供給側の業界用語でインターネットに関わる技術といった意味で使われていた。ホームページや電子メールなどが広く行渡った後、一般にも使用され始め、情報基盤の意味で使われるようになった。現在では広く情報環境といった意味でも使われる。
ITをひとつの概念として捉え、IT基盤、IT化といった言い方も用いられている。
日本や米国ではITを使うが、欧州やアジアではICT (Information and Communication Technology)が使われる。
経済産業省ではITを用い、総務省ではICTを用いるというように行政のレベルでも統一された使い方にはなっていない。

3. 情報技術
ITに対応する日本語である「情報技術」とはどういう意味か考えてみよう。
情報技術は「情報」と「技術」に分けられる。
まず「情報」という言葉を考えてみよう。
元々は情報とは事情の知らせを意味し、REPORTの訳語として当てられていた。
informationと結びつくようになったのは1950年代以降のことである。
情報の定義はいろいろあるが情報処理学会元会長の高橋秀俊先生の
「『知る』ということの実体化。われわれが、あるものについて『知る』ということは、何かしらを得たこと、何かを頭の中に取り込んだことである。その『何かしら』をわれわれは情報と呼ぶのである」
という解釈が妥当ではないか。

次に「技術」を考えてみよう。
技術という言葉は「匠(たくみ)のワザ」と解釈されやすい。私たちは日光東照宮の眠り猫を見ると、それを工芸作品としてみるよりも、左甚五郎の名人芸としてみることが多い。素晴らしい猫の彫り物ではなく、甚五郎の技の冴えに感動するのである。これはtechniqueを評価しているのである。
Technologyはワザではなく、技術を適用した成果物のことである。

従って、情報技術とは、ヒトの頭脳に入り込んで記憶 や知識、判断の基になるような事柄を伝えたり、蓄積したり、加工したりする。
(NPO法人ITC横浜副理事・未来計画代表 ITコーディネータ 齋藤順一)
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