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レポート:第5回ITフォーラム(神奈川県情報サービス産業協会) プリント
2010/11/26 金曜日 11:13:39 JST

ソーシャルメディアで地域を活性化
八戸市にぞくぞくと起業家が誕生

■多数の成功事例
ソーシャルメディアを使って地域を元気にする――。神奈川県情報サービス産業協会は11月17日、「ITで実現する地域+絆+郷土愛」をテーマに、横浜ITフォーラムを市観光経済局と共催した。講師は八戸大学・八戸短期大学総合研究所所長の大谷真樹教授らが勤めた。
大谷教授は「リーマンショック以降、製造業は海外移転を加速させ地方経済は疲弊している」と前置きし、そのなかで青森県八戸市をどう活性化させるか、ツイッターやユーストリームといったソーシャルメディアを活用し成功をおさめた事例を紹介した。
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■首都圏とつながるのがポイント
活性化で注目したのは八戸市の充実したインフラと国際的に開かれた環境。新幹線、高速道路、空港、外国航路のある港湾などが完備され、すでにマネックス証券など国際的な企業が八戸に進出し、電子商取引のアリババも予定している。そこで、同氏はこれに加え地域に眠っている資源の掘り起こしによる起業を呼びかけた。地域全体でのムーブメントとするため企業家養成講座を2009年から開設し、県から助成金も受けすでに9名が起業した。「成功する起業はわずかかもしれないが、常に火を絶やさず増やすことが大切」とする。
起業でツールにしたのがソーシャルメディアの活用だ。ポイントは首都圏とつながること。「首都圏はマーケットとしての魅力だけでなく、地元出身者の郷土愛でさまざま形で支援されている」。また、地域に眠る資産の掘り起こしで、キーワードになったのが"組み合わせ"。

■温泉旅館が健康増進施設に
たとえば、経営難に陥った温泉旅館を健康増進の場として組み合わせ、湯治に医師の監修プログラムを導入し、冬場だけでなく一年を通じて客が訪れやすいようにした。これにより首都圏の富裕層を取り込むことにも成功した。
 さらに、地域で取れた野菜はソーシャルメディアの活用で、東京のレストランに直販するようになり、ユーストリームを使ってTVショッピングのように野菜の通販を始めた農家も登場したという。地方との連携も生れ、熊本の農家と連携したケースでは8月に出荷が終了するトマトを10月まで販売できるようにした例もある。
 大谷氏は「起業は首都圏より地方のほうが優位な立場にある。生活、起業のコストが安く、地元メディアにも取り上げられやすい。手付かずの地域資源があり、ライフワークバランスを考えた仕事もやりやすい」と、そのメリットを強調する。「ソーシャルメディアはインターネットに次ぐ情報革命で、地方はこれをツールにすれば大きく発展できる」と語った。

■研究開発は輸出産業と同じ
一方、フォーラムでは12月に開発拠点の大和事業所を横浜みなとみらい地区に移転するレノボ・ジャパン取締役副社長の内藤在正氏が、その抱負と期待をテーマに語った。そのなかで、同氏は国際企業の日本拠点についてふれ「研究開発行為は輸出産業と同じ。コストに負けない高付加価値を生む集団であり続けることが大切」と語った。
さらに、海外と比べ日本の強みは、大学・大学院における優れた人材の育成、国民の技術に対する文化的な理解と共感などがあるとし、みなとみらい地区については、周辺施設の充実とともに、将来の事業所の拡大にも対応可能な地区であること、また国際都市として社員が世界に開かれた視野を持ちやすいことなどに魅力があるとした。
 なお、同フォーラムは今年で5回目、新しい試みとしてユーストリームを使い講演の内容をリアルタイムで全世界に向けて発信した。

(財)神奈川県情報サービス産業協会:http://www.kia.or.jp/

 
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