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皆で考える地球温暖化(8)- 今、何故温暖化か プリント

地球温暖化の意義

IPCCは気候モデルを構築し、地球シミュレーターを走らせ、これからも温暖化は進むと予測しております。

このことに意義はあるのか。との疑念もありますが、この結論が現段階、最善を尽くした科学の成果であり、未解明な領域があることは十分承知しながらも、今、公表し、警告することが「使命」である、と多くの科学者は考えています。

すなわち、警告は人類社会の持続的発展を願う科学者の熱き思いの発露であり、「この結論を信じて進むことが人類を救う道である」、と私は見ております。

今仮に、92億人(国連推測、2050年時)が資源を最も効率的に使用し、豊かな生活をしているわが国の現在の姿(一次エネルギー4.1T(石油換算)/年・人消費、温室効果ガス排出量10T (CO2換算)/年・人)、と同じ社会を創ったとしますと、世界では、約377億T(石油換算)/年もの一次エネルギーが消費され、920億T(CO2換算)/年の温室効果ガスが放出されていることになります。

つまり、豊かな生活の代償として、私たちは、一次エネルギーを現在の約4倍消費し、3倍強の温室効果ガスを排出していることになるのです。これはまさに地球温暖化を絵に描いたような構図であり、我々人類は石炭主体の化石燃料(石炭究極埋蔵量9.9兆T:表―1世界エネルギー会議より)を消費し、エネルギー資源の枯渇を心配しながら、破滅の道を歩み続けていることになります。
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このように考えますと、もったいない精神を発揮することで省資源を図り、後生大事に化石エネルギーを守るだけでは、人類の未来は保障されないことが分かります。

すなわち、尽きることなきエネルギーと温室効果ガスの大幅削減技術の開発がこれからの人類社会の命題となるのです。
そして、この命題を一挙に解決する方法として、安全で温室効果ガスをほとんど発生しない太陽光発電を中心とした、再生可能エネルギーの大々的な導入が考えられているのです。

世界エネルギーの評価(World Energy Assessment、によりますと、技術的に利用可能な太陽エネルギー量は石油換算で約375億T/年(表―2より計算)であり、この値は既述した2050年時点の一次エネルギー消費量とほぼ同じで、これに水力・地熱・風力エネルギーを加えれば、約1,800億T(石油換算)/年となりますので、世界が必要とするエネルギーは、再生可能エネルギーで十分賄え、人口100億人以上と推測(国連統計)される2100年時点の社会でも問題のないことが分かります。
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一方、排出される温室効果ガス量は、太陽光のみでは約182億T(CO2換算)/年となり、IPCCの指針である約120億T/年以下を守れないことになりますが、これも水力等他の再生可能エネルギーと組み合わせれば問題はなく、気候の安定が望めることになります。
このように、比較的普遍性の高い、太陽エネルギーを中心とした再生可能エネルギーを導入することは、エネルギー資源の枯渇と地球温暖化の心配をなくし、一石二鳥となるのです。

しかし、このような社会を創るには、現在の大型火力発電の規模をしのぐ、太陽光発電システムの開発が不可欠となり、それには、①太陽光発電効率のさらなる向上、②送・配電システムの構築、③超高容量蓄電システムの開発、④送・配電用超伝導ケーブル(物質)の開発、⑤超大型太陽光発電基地の選定等々数多くの難題を解決することが必要になります。

特に、超高容量蓄電システム、超伝導ケーブル(物質)の開発はかなり遅れており、現時点実用化の目途は立っておりません。

しかし、太陽光を利用するために開発した技術は、風力、地熱等他の再生可能エネルギーにも応用でき、エネルギーや温暖化問題の解決にも役立つことを考えると、狙わない手はないと思われます。

このようにみてきますと、太陽光を主とした再生可能エネルギーを手中にすることは、人類の悲願ともなりますが、ゴールははるか彼方であり、「今警告しなければ間に合わない」、と科学者は考えているのです。

過去にも人類は科学の力で次々と「夢」を実現してきた歴史があります。従って、最先端技術であるナノテクノロジーを適用し、原子・分子論を展開し、技術を組み立て直せば、難題を解決できる可能性は十分にあると思われます。

格差なき人類社会の持続的発展を願い、近くて遠い話をしましたが、本文から、科学者が唱える地球温暖化の真意の一端が分かって頂ければ幸いです。

過去記事
・皆で考える地球温暖化(1)-連載にあたって
・皆で考える地球温暖化(2)-温室効果ガスと地球温暖化
・皆で考える地球温暖化(3)-削減対象とならない水蒸気
・皆で考える地球温暖化(4)-世界像を描け
・皆で考える地球温暖化(5)-地球力
・皆で考える地球温暖化(6)-COPは踊る
皆で考える地球温暖化(7)-深海に眠るメタンハイドレート

筆者プロフィル
東  勝(ひがし まさる)

co2-higashi.jpg環境・経営コンサルタント
VMCYハーバークラブ会員
1941年愛媛県大洲市生まれ
京都大学工学部卒業後
日本鉱業(現新日鉱ホールデイングス)(株)入社
(株)日鉱テクノサービス、日鉱金属(株)等を歴任
現在、環境伝道師を自認し、製造現場での豊富な経験を基に、
京都メカニズムのCDMプロジェクト審査・検証員
温室効果ガス排出量取引審査・検証員
環境ISOマネジメントシステムの構築支援・監査
環境リサイクル・非鉄金属事業の経営・技術支援及び
工業英語翻訳者
として活躍中
著書:「地球温暖化は科学を超える」(牧歌舎)
保有資格
・CDMプロジェクト審査・検証員
・環境ISOマネジメントシステム審査員補
・エネルギー管理士
・公害防止(大気・水質1種)管理者
・甲種危険物取扱主任者
・高圧ガス取扱主任者
・ボイラー技士
・衛生管理士
・工業英検2級(翻訳)

 
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