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レポート:横浜企業経営支援財団の広域的産学官連携システム プリント
2010/01/11 月曜日 17:13:51 JST

10万7千社に張り巡らせた
"知"の産学情報ネットワーク


■成長分野の知財を独占
横浜企業経営支援財団(IDEC)はこのほど帯広畜産大学(北海道)と産学連携協定を結び、市内企業10万7千社を対象に食材開発や農工連携などの支援体勢を整えた。2007年度から始めた産学広域大学ネットワークに基づくもので、今回の協定で完結する。これにより市内理工系大学9大学に加え、全国13大学の先進的な知財を市内企業に提供し、新たなビジネスチャンスに結びつける。
ts-100111-1.jpg現在ネットワークに参加している大学は、神奈川大学、関東学院大学、慶応大学、鶴見大学、桐蔭横浜大学、東京工業大学、東京都市大学、横浜国立大学、横浜市立大学の市内9大学。市外は帯広畜産大学、岩手大学、金沢大学、山口大学、広島大学、高知大学、鹿児島大学、早稲田大学、東海大学、同志社大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学の13大学。
いずれも環境、エネルギー、バイオ、アグリなど今後新産業として成長が見込める分野に豊富な知財を持つ。各大学とも横浜の企業と連携することで新ビジネスを創出し、両地域の経済を拡大、活性化させることを狙う。これにともないIDECでは既報のとおり「横浜アグリ・フードビジネス・プロジェクト」を展開し、市内企業と帯広畜産大学が参画した横浜オリジナルスイーツの開発と、食材開拓の研究会をスタートさせた。

■イノベーションは経営革新

IDECの吉田正博常務理事は「中小企業が今後生き残っていくためにはグローバル、イノベーション、人材育成の3点が不可欠。このうちのイノベーションは技術革新というより経営革新。成長分野にアンテナを張っているか、また新しいビジネスモデルを創出できるのかで決まる」と説明する。大学側も首都圏の企業と連携し、知財で新ビジネスを生めば新規需要が開拓でき地元経済に還元される。いわばお互いにWin:Winの関係になれるという。
さらに、同財団の金融連携ネットワークを活用すれば、新規ビジネスの技術評価から融資までワンストップで受けられ、スピード感ある新規事業を立ち上げられる。金融連携ネットワークとは三井住友銀行など大手銀行4行と地元銀行、信金を加えた6金融機関で構成された資金と情報のネットワークのことで、2007年度に各金融機関と協力関係を結んでいる。

■関西経済界との人脈も
広域大学連携には知財だけでなく、もうひとつの狙いがある。それは各大学が持つ人脈だ。たとえば関西経済圏に豊富な人脈を持つといわれているのが、「関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)」と呼ばれる有力私立大学群である。これらの大学から多くの優れた経営者が関西企業に輩出されており、その提携により関西経済界とのパイプも形作られると考えた。
これまで事業に不可欠なイノベーション(技術革新)といえば工学系の大学がその中心的な存在だった。しかし、少子高齢化や食料の安全保障、低炭素化社会の構築など、時代とともに社会的なニーズも変化し、求められる知財も変わった。地域(横浜)をプラットホームとする広域的大学連携は日本初の試みであり、活力あるビジネスを市内企業に生み出しそうだ。
なお、広域大学連携はIDECの横浜産学連携サテライトで取りまとめられており、毎月セミナーが開催され、一部の大学とTV会議を行うこともできる。

関連記事:
ヨコハマの環境力(第7回)-広域的産学連携
IDECが帯広畜産大学と産学連携協定

(財)横浜企業経営支援財団 産学連携サテライト:http://joint.idec.or.jp/sat/

 
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